ウェブに限らずマーケティングの実施に当たっては、コミュニケーションの相手となる「ターゲット」を明確にしてから戦略作りを推し進める必要がありますが、このターゲットの具象化プロセスの一例として「ペルソナデザイン」というアプローチ手法があります。
新規でウェブサイトを立ち上げる際に、私はよくクライアントの担当者に「ターゲットはどのような方を想定されていますか?」と問い掛けます。大半が「M1層(20代~34歳男性)で音楽に興味のある方」など、アバウトな回答です。
しかし、その答えを鵜呑みにして戦略作りを進めることはあり得ません。
なぜなら、クライアントの担当者も、その製品・サービスに関わった方々も、色々ターゲットのことを研究した上でその製品・サービスをリリースするはずだからです。
つまり、戦略立案段階において、本当に狙いたいターゲット像は各担当者の"頭の中"にあることが多いのです。このような状態で戦略作り、サイト構築と進んでしまうと、下記のような展開になってしまいます。
クライアント「このサイトのデザイン、少しポップ過ぎない?」
制作会社「いいえ、M1層には受け入れられると思いますよ。」
クライアント「しかし、メインターゲットは30代前後のサラリーマン男性だよ。」
制作会社「それは初耳です・・・。そういうことなら、特集もサラリーマン向けに作りかえる必要があるのではないですか?」
クライアント「そうだね。では一旦社内で話し合うので、暫くペンディングにしてれない?」
制作会社「・・・・・。」
このような展開はお互いにとって不幸です。
特にクライアントと制作会社という異なる環境で仕事をしている者同士でプロジェクトを進める場合は要注意です。
ペルソナデザインとは、ターゲットをペルソナ(具体的なデータを基にした人物モデル)に置き換え、ペルソナの嗜好や行動などを想定、モデリングすることで、よりズレの無いコミュニケーションを目指そうというものです。
ウェブマーケティングに限って言えば、正確なペルソナデザインを行うことにより、より魅力的なウェブサイト作りができるだけで無く、ユーザーにとって心地よいコミュニケーションの実現に近付くことができることでしょう。
しかし、先にも述べたように、ペルソナは各担当者の頭の中にあるだけではいけません。共有できる形に再現し、戦略に落とし込むプロセスが必要です。
また、より精度の高いペルソナを作り上げる上で、先日ご紹介しました「ネットリサーチの実施」は有効な手段となります。併せて活用してみましょう。
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